電子契約を導入しようとして最初に名前が上がるのは、たいていGMOサインかクラウドサインのどちらかです。どちらも「国内シェアNo.1」を標榜していて、資料を取り寄せても似たようなことが書いてある。結局どっちを選べばいいのか。

この記事では、2026年6月時点の公式料金をもとに、月の送信件数・会社規模・法務チームの有無という3軸で「あなたの会社にはどちらが合うか」を判断できるようにまとめました。

料金比較表(2026年6月時点)

まず数字を並べます。送信件数によって総額が逆転するので、「月に何件送るか」を念頭に置きながら読んでください。

GMOサインクラウドサイン
無料プラン月5件まで(1ユーザー、立会人型のみ)月2件まで(1ユーザー)
入門プラン 月額ライト:8,800円/月(年間契約・税抜)Light:11,000円/月(税抜)
送信料立会人型100円/件、当事者型300円/件220円/件(全プラン共通)
中級プラン 月額スタンダード:24,000円/月Corporate:28,000円/月
ユーザー数有料プランは無制限有料プランは無制限
紙書類の取り込みスタンダード以上Corporate以上
API連携スタンダード以上(別途費用)Corporate以上
SSO・IP制限ビジネス以上(要問合せ)Business以上(要問合せ)
電話サポート全プラン(平日10〜18時)Corporate以上

※価格はすべて税抜表記。最新情報は必ず各社公式サイトでご確認ください。

月の送信件数別・コスト試算

固定費+従量課金の構造なので、件数が増えるほど差が開きます。入門プランどうしで比べると:

月の送信件数GMOサインライト(年間)クラウドサインLight
10件8,800+1,000=9,800円11,000+2,200=13,200円
30件8,800+3,000=11,800円11,000+6,600=17,600円
50件8,800+5,000=13,800円11,000+11,000=22,000円
100件8,800+10,000=18,800円11,000+22,000=33,000円

月30件以上の会社では、年間を通じると差が10万円を超えることもあります。件数が多い会社ほどGMOサインが有利です。

GMOサインの特徴と強み

GMOサインの最大の特徴は、立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の両方を1つのサービスで使い分けられる点です。

立会人型は取引先がメールアドレスさえあれば署名でき、相手のアカウント登録は不要。一方の当事者型は、いわゆる「実印」と同等の証拠力を持つ電子署名で、金融契約や重要な業務委託契約に使われます。

GMOサインのライトプランでこの2種類が使えるのはコストパフォーマンスが高い理由のひとつです。クラウドサインでも高度認証による署名は可能ですが、件数ごとの料金体系でGMOサインの方が安く使えるケースが多い。

GMOサインが向いている会社:

  • 月の送信件数が多い(30件以上)
  • 当事者型署名(実印相当)が必要な契約が混在する
  • コストをできるだけ抑えたい中小企業

クラウドサインの特徴と強み

クラウドサインの強みは、弁護士ドットコムが運営する法務領域での信頼感と、書類管理機能の充実です。

Corporateプランからは紙書類のインポート機能が使えます。「これまでの紙の契約書もクラウドで一元管理したい」という法務担当者のニーズに応えているのはクラウドサインの方が先行していました。AI契約書管理機能も実装されており、書類の属性(取引先・金額・期限)を自動抽出して管理台帳を作れます。

また、Corporateプランから電話サポートが付くのも、初めて電子契約を導入する会社にとって安心感があります。

クラウドサインが向いている会社:

  • 法務部門があり、書類管理・更新通知の機能を重視する
  • 過去の紙の契約書を電子的に一元管理したい
  • 送信件数は月30件未満でコストよりも機能を優先

無料プランで試せる範囲の違い

どちらも無料でアカウントを作れますが、制限の内容が異なります。

GMOサインフリープラン:月5件まで署名依頼を送れます。ただし立会人型のみで、ユーザーも1名。複数人での運用や当事者型署名は試せません。

クラウドサインフリープラン:月2件まで、1ユーザー。件数は少ないですが、基本機能は一通り触れます。

両社ともUIの操作感を確かめるには十分な無料期間ですが、「チームで使う場合の運用感」は無料プランでは確認しにくいため、有料プランのトライアル交渉をするか、デモを申し込む方がリアルな確認ができます。

乗り換え・比較検討で見落としがちな3点

① 相手方の手間を考える

どちらのサービスも、契約の相手方(署名する側)はアカウント登録不要でメールから署名できます。ここは同条件。ただし、海外取引先が多い場合はGMOサインの8カ国語対応(クラウドサインは英語・中国語対応)も選択肢になります。

② 既存書類の移行コスト

クラウドサインのCorporateプランには紙書類インポート機能がありますが、GMOサインのスタンダードプランにはスキャン文書管理機能があります。どちらも「現在の紙契約書をシステムに取り込む」工数が発生することは変わりません。移行対象の書類が多い場合は、どちらのサービスも設定代行オプションの費用感を確認してください。

③ API連携のコスト

GMOサインはスタンダード以上でAPI利用が可能ですが、API仕様書の開示や技術サポートに別途費用がかかります。クラウドサインのCorporateもAPI利用可能です。基幹システムや他のSaaSと連携する予定がある場合、どちらも「API利用料=プランに含まれる」ではないことに注意が必要です。

どちらを選ぶか:3つの判断軸

迷ったときは次の順で考えるとシンプルに決まります。

1. 月の送信件数は30件を超えるか → 超えるならGMOサインが費用面で有利。超えないなら両者を機能で比較する。

2. 法務部門があり書類管理を重視するか → 法務台帳・契約更新管理・紙書類の電子化移行を重視するならクラウドサインのCorporate。

3. 当事者型(実印相当)署名が必要か → 必要ならGMOサインのライトプランで安く使える。クラウドサインでも対応しているが、いずれにせよ件数ごとの費用が発生する。

よくある質問

Q. GMOサインとクラウドサインは法的効力に違いがありますか? どちらも電子署名法に対応しており、法的有効性に大きな差はありません。当事者型(GMOサインの「実印タイプ」)は立会人型よりも高い証拠力を持ちますが、ほとんどの取引には立会人型で十分です。

Q. 無料プランから有料プランへの移行はスムーズですか? どちらも登録データはそのまま引き継がれます。ただし無料プランで作成したテンプレートや設定を有料プランでそのまま活用できるかは事前に確認してください。

Q. セキュリティ認証の取得状況は? GMOサインはISO/IEC 27001・27017・SOC2 Type2を取得。クラウドサインもISO 27001を取得しています。どちらもエンタープライズ水準のセキュリティ認証を持っています。

Q. 解約はいつでもできますか? 年間契約の場合、途中解約はプランによって対応が異なります。契約前に途中解約の条件と返金ポリシーを確認するようにしてください。