「電子契約を試してみたい」「まずタダで始めたい」という相談で、まず候補に上がるのはGMOサインかクラウドサインです。ただし、無料で使える件数や機能の制限は各サービスで大きく異なり、「導入したら思ったより早く無料枠を超えた」というケースは多い。

この記事では、2026年6月時点の公式情報をもとに、国内主要4サービスの無料プランを件数・機能・有料移行コストの3軸で比較します。

無料プラン比較表

GMOサインクラウドサインfreeeサインサインタイム
無料送信枠月5件月2件月1件合計10件(期限なし)
ユーザー数1名1名3名制限なし
タイムスタンプあり(立会人型のみ)ありありあり
入門有料プランライト 8,800円/月(年払い)Light 11,000円/月Starter 5,980円/月(年払い)7,880円/月(税込)
有料プランの送信枠立会人型100円/件、当事者型300円/件(別途従量)220円/件(全プラン)50件/月無料+100円/件超過送信数無制限
署名タイプ立会人型・当事者型(両方)立会人型(高度認証も可)立会人型立会人型
AI契約書レビューなしなしStandardプラン以上なし
無料トライアル(有料プラン)なしなしStandardプラン14日間-

※価格はすべて税抜(記載のある場合は税込)。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

無料プランの「実質的な使えるレベル」を整理する

件数だけ見るとGMOサインの月5件が最多ですが、それぞれ制限の内容が異なります。

GMOサイン(月5件)

GMOサインの無料プランは月5件まで無料で、登録は1ユーザー。注意点は立会人型のみという点です。当事者型(実印相当の電子署名)は無料では使えません。

立会人型であれば、取引先にアカウント登録を求めず、メールアドレスだけで署名依頼を送れます。月5件の枠は、個人事業主・フリーランスや「とりあえず月数件の契約を電子化してみたい」という小さなチームの試用に向いています。

ただし、無料プランは実質トライアルとして設計されており、複数人での運用や当事者型の確認はできません。

クラウドサイン(月2件)

クラウドサインの無料プランは月2件まで、1ユーザー。件数は少ないですが、弁護士ドットコムが運営する信頼感と、管理画面のわかりやすさは評価が高い。

月2件という枠は実運用にはほぼ使えない件数ですが、UIや操作フローを確かめるお試しとして機能します。

有料プランのLightは11,000円/月+220円/件で、件数が増えるほど費用が膨らむ点を頭に入れておく必要があります。月30件を超えると送信料だけで6,600円追加されます。

freeeサイン(月1件・3ユーザー)

freeeサインの無料プランは月1件と件数では最も少ないですが、3ユーザーまで無料で使えることが特徴です。チームでUIを確認したいときに向いています。

Starterプランは年払い5,980円/月(月払いは7,180円)で、月50件の送信枠が含まれます。無料枠を超えた場合は100円/件。3サービスの中では有料移行後のコスト感がもっとも抑えやすいプランです。

StandardプランにはAI契約書レビュー機能が含まれており、法務部門がある会社や、受け取る契約書のチェック業務も一元化したい場合はこちらが候補になります。

サインタイム(合計10件・期限なし)

サインタイムの無料プランは合計10件まで、期限なしで使えます。「月10件」ではなく「累計10件」という点に注意が必要ですが、じっくり試してから判断したいという使い方に向いています。

有料プランは7,880円/月(税込)でユーザー数・送信数が無制限。この点がGMOサイン・クラウドサインの従量課金型と大きく異なります。月の送信件数が多い会社にとっては、定額で使い放題のモデルはコスト予測がしやすいメリットがあります。

無料で始める前に確認すべき3点

① 無料で試せることと、実運用で必要なことは別

どのサービスも無料プランでは機能が大幅に制限されます。「無料で動くか」ではなく「自分たちの運用に使うための機能が有料プランに揃っているか」を確認してください。たとえば、社内で複数人が契約書を送る運用をしたい場合、1ユーザー制限の無料プランでは確認できません。

② 相手方(署名する側)の体験は無料でも確認できる

4サービスとも、署名を依頼された相手側はアカウント登録不要でメールからサインできます。「取引先に負担をかけたくない」という懸念は無料プランでも確認できます。

③ 当事者型署名が必要かどうかで選択肢が絞れる

金融取引・不動産契約・重要な業務委託契約など、「実印相当の証拠力が必要」という場合は当事者型署名に対応しているサービスが必要です。

  • 当事者型対応: GMOサイン(ライトプラン以上)、クラウドサイン(高度認証オプション)
  • 立会人型のみ: freeeサイン、サインタイム

大半の取引では立会人型で法的に十分ですが、業種・契約種別によって判断が変わります。不安な場合は法務担当者か弁護士に確認してください。

無料から有料移行のタイミング目安

月の送信件数推奨の動き
月5件以下GMOサインの無料プランで運用を続けられる可能性あり
月6〜20件有料プランへの移行を検討。freeeサインのStarterが最も安価(年払い5,980円/月)
月21〜50件freeeサインのStarterプランはコスパ良(月50件の枠内)。GMOサインのライトも競争力あり
月50件以上サインタイムの定額モデルか、GMOサイン・クラウドサインで件数ごとの試算が必要

各サービスへの登録・試用リンク

よくある質問

Q. 無料プランの電子契約は法的に有効ですか? はい、有効です。電子署名の法的効力は料金プランによって変わりません。ただし、当事者型と立会人型では証拠力(後日の紛争時に署名者を証明できる強度)が異なります。

Q. 無料プランから有料プランに移行するとき、これまでのデータは引き継がれますか? 各サービスともアカウントのデータは引き継がれます。ただし保管できる文書数の上限が無料プランでは少ないため、大量の書類を保管したい場合は早めに有料プランへの移行を検討してください。

Q. 相手が電子契約に慣れていない場合でも使えますか? はい。4サービスとも、署名する相手(取引先・個人)はアカウント登録なしでメールから署名できます。PCでもスマートフォンでも完結します。

Q. 試用後に解約はできますか? 無料プランは解約手続き不要でそのまま放置できるサービスが多いですが、有料プランに移行した後は各サービスの利用規約に従った解約手続きが必要です。年間契約の場合、途中解約の取り扱いは事前に確認してください。

Q. 複数のサービスを同時に試すことはできますか? できます。それぞれ無料プランに登録して操作感を比べるのは一般的なアプローチです。ただし無料プランの送信枠が少ないため、実際の契約書での比較は有料プランのトライアル期間が活用しやすいです。